今日は血糖値のパターン別解説についてお話しします。

人によって血糖値の動き方が違います。私が発信したり著書で書いているやり方は、あくまでも一般論です。私のスクールのMMCの受講生さんなどには、一人一人を見てやり方を変えます。今日はその中で多いパターンのものを話します。

 

継続的に血糖値を測ったことのある人は少ないと思いますが、皆さん、健康診断の採血で血糖値を測ったことはあると思います。

採血時は絶食状態で空腹時の血糖値を測ります。空腹時の血糖値の理想値は90から100ぐらいです。

70を切ると低血糖の診断になりますが、80台から症状が出る人が多いです。空腹時の採血で血糖値が80前半以下であれば、血糖値がうまく維持できない状態かもしれません。

また、血糖値は緊張すると上がります。アドレナリンが出るので血糖値が上がるのです。低血糖を起こす人でも、採血時に緊張すると血糖値が上がってしまうので、データが良い数値になってしまうことがあります。

低血糖の症状がよくわからない人もいるかもしれません。色々な症状があります。

 

<低血糖の症状>

  • 食後に眠くなる。
  • 空腹時にフラフラしたり手が震える人も
  • 甘いものがすごく食べたくなる。
  • 食欲を抑えられない。
  • メンタル的に落ち込みやすい。
  • イライラしたり怒りっぽくなる。
  • 緊張が強い。
  • 汗をかきやすい。
  • 手足が冷たい。
  • 疲れやすい。
  • 筋肉が付きにくい。

 

このような症状があると低血糖の可能性があります。

また、この時期は熱中症の症状と間違えてしまう人もいるので気を付けてください。外に出てフラフラしたり頭痛がしたら、脱水や熱中症だと思って水分や塩分を摂りますが、症状が良くならない場合は低血糖の可能性があります。その場合は水分と塩分を摂っても良くなりませんから糖質を摂った方がいいです。

 

もう1つの採血で見れる項目は、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)です。

これは2週間の血糖値の平均を表す項目で、糖尿病の診断に使われます。平均値を表示するものなので、食後に血糖値が上がり、日常でも低血糖を起こしている人の場合、平均で表すとちょうどいい数値になってしまうことがあるんです。

普通の血糖値が80台など低めで、HbA1cが5.5など、高めの人もいます。その場合は食後に高血糖を起こしている可能性が高いと見ていきます。

そのため、採血の数値だけでは、日頃の血糖値の動きを把握するのは難しいです。

 

また、健康診断の数値では中性脂肪にも注目してほしいです。中性脂肪はエネルギーの量を表す指標です。

太っているから高いとか、痩せているから低いとは限りません。痩せていて高い人もいるし、太っているけど高くない人もいます。

私が病院で指導していた頃は、明らかに肥満体型でも中性脂肪が高くない人もいましたし、ガリガリなのに中性脂肪がすごく高い人もいました。

中性脂肪は、糖質制限をしているとどうしても下がってしまうのですが、普通に糖質を食べている人であれば、80から100ぐらいあってほしいです。

50台~40台だとエネルギー切れを起こしている状態なので疲れやすいと思います。その数値で元気な人がいるなら、カフェインを摂ってドーピングしていたり、忙しくてアドレナリンを出すような環境にいると思われます。

皆さん手元のデータで、血糖値、HbA1c、中性脂肪をまず見てください。

 

さて、ここからパターン別のお話をします。

 

血糖値をリブレなどで継続的に測ったことがあればおわかりかもしれませんが、一番多いパターンは食後の高血糖です。

食後に高血糖を起こして、その後一気に下がります。ジェットコースターみたいなジグザグなグラフになっている人が多いと思います

この状態の人はインスリンがあまり効いていない人が多いです。

インスリンは血糖値を下げる唯一のホルモンです。通常の状態の人は、インスリンは食事を食べてすぐに出てきます。食後すぐインスリンが出て血糖値を下げてくれるので、そこまで高血糖にならないのです。例えば空腹時に甘いものをドカーンと食べれば、ある程度上がりますが、バランスのとれた食事をしている人なら、そこまで上がらないです。せいぜい150ぐらいです。それが200以上など、かなり上がってしまう人もいます。

そのような人はインスリンが効いていないので、血糖値を下げる機能が遅いんです。食後すぐにインスリンが出ないので、血糖値が上がってしまって、その後インスリンが効かないからインスリンがたくさん出すぎて、今度は血糖値が下がりすぎて血糖を起こすんです。そのため、ジェットコースターみたいに急に上がって急に下がるようなグラフになるんですね。

本来は血糖値の動きとしては、食後2時間ぐらいかけて90から100ぐらいに下がればベストですが、インスリンが効かないせいでインスリンが出すぎてしまう人は、30分~1時間ぐらいで急に下がるので、食後の眠気がきたり、体が重い感じがしたり、不安感が出たりします。

こういう血糖値の人がいちばん多いですね。

これは糖尿病の予備軍のようなものです。糖に対して過剰反応をして糖代謝が下がっているからです。糖質が体に悪いと思ってしまう人もいますが、適量の糖質なら体に悪いわけはありません。適量のお米を食べて血糖値が200~250などに上がってしまう人は、糖代謝が下がっているのです。

例えば、糖質制限をしていた人や、こまめにファスティングしている人は、糖質を摂らない期間が長いために、糖に対して過剰反応を起こしやすくなり、おにぎりを食べただけですごく血糖値が上がってしまうんです。

血糖値が一気に上がると、一気に下がるので、ちょっと糖質を食べただけで眠くなるんです。だから糖質は体に悪いと思ってしまうのですが、そうではなく、適量の糖質を食べても眠くならないぐらい糖代謝を上げるのが大事です。

 

視聴者さんからコメント

・食後1、2時間後に不安感が出る事が多いですね。

 

この時に出る不安感は、血糖値の影響であって、感情的なものではなく、性格ではないんです。でもこれを知らないと、不安症だとか、鬱だとか、自律神経のバランスが悪いと思ってしまう人がいると思います。

血糖値が急に下がっているから、不安が起こっていて、不安になる時間が長いから、不安になりやすいと思ってしまうのです。これを知っていると、性格じゃないと切り離して考えられるので、冷静に俯瞰して自分のことを見られるようになります。

私も勉強を始めた頃は低血糖が酷かったので、イライラしたり、不安で落ち込むこともよくありましたが、知識があったので、「今私がイライラしているのは、空腹時に菓子パンだけ食べたからだ」分析できるようになりました。

血糖値について学ぶと、食事で性格が変えられるのが分かります。

周りに不機嫌にキレる人がいたら、その人も血糖値が乱れているかもしれません。その人が何を食べているか観察すると、血糖値が急激に上がるようなものをよく食べているはずです。ぜひ見てみて欲しいと思います。

 

血糖値の乱高下があって、糖質制限をした経験がある人は、少しずつ糖質の量を増やして、少しずつ体を慣らしていくことが大事です。

食べ方によって血糖値の上がり方も変わるので、よく噛むことが大事です。それから、タンパク質を先に食べて、いきなり糖質を入れないようにすることも大事ですね。

 

緊張が強い人の場合は、食事面だけでなく、メンタル面のケアが必要なこともあります。

カウンセリングを受けた方がいい部分なんですけど、子供の頃から気を張ることが癖になっていて、無意識に緊張してしまう人がいます。

そういう人はいくら食べ方を変えても血糖値が安定してきません。その場合は自分の思考の癖を知って、そこにアプローチしないと、変化を起こすことができません。

ときどき、食べても食べても血糖値が上がらないパターンの人もいます。

このパターンの人はよりメンタル面のアプローチが必要で、食事ケアだけではなかなか改善しないパターンの人です。

視聴者さんからコメント

・血糖コントロールしてるけど不安感が出ます。緊張強いですね。

 

そういう方の場合はウンセリングを継続的に受けた方がいいと思います。そういう方って子供の頃から気を張る癖があるはずなんですね。気を張っているということは何か恐怖心があったりとか、何かに怯えていることとか、そういうものがあったはずなんですね。緊張の原因が何なのかをちゃんと探って、そこを解消してあげないと、不安とか緊張が解消しないと思います。

 

視聴者さんからコメント

・1日疲れてます。食事に今まで以上に気を付けてるつもりですが、それでも疲れてしまう。

食事に気を付けることに疲れてたら意味がないので、食事の時に意識してほしいのは、いかにして楽に美味しく栄養が摂れるか、これを意識してほしいです。食事で疲弊したら意味ないんですよ。自炊ができればそれはいいんですけど、自炊して疲れてたら全然意味がないんですよね。

料理ってすごくエネルギーを使う行為です。刃物を使うし、火を見るし、すごい気を張るんですよ。慣れてる人とか料理が好きな人は全然いいんですけども、それで疲れてしまう人は無理してご飯作らなくていいんですね。市販のものにできるだけ頼ったり、家族にお願いして作ってもらったり。家事代行も今は気軽に頼める時代になってきましたし、とにかく頑張っちゃいけないんですよ。

添加物も気にしていい段階と、そんなこと言ってる場合じゃない段階というのがあるので、添加物どうのこうのよりも栄養を摂ることを優先してほしいですね